若い剣士は大酒飲みなうえに酒癖が悪い。アジェンタス騎士団の面々も例外ではなく、あまりの飲みのひどさに、近隣の飲食店からアジェンタス騎士団広報部にはかなりの苦情が来ているのだという。国際情勢や国内の治安悪化で騎士団が必要とされるいまだからこそ、騎士団の風格を取り戻し、その必要性を周囲に説く必要があるとして、なんと、騎士団の活動を大々的に喧伝するための地域交流会が急遽、開催されることになった。そして、通常任務の傍ら、剣士たちは週末の休日のために屋台を出店したり、楽団を結成したり、地域住民との野球交流試合などに狩り出されることに。
セテとレトも例外ではなく、懇意にしていた先輩たちによって、剣士のお手製料理を振る舞う屋台を担当する羽目になってしまった。
料理を得意とするセテではあったが、こんな学生の文化祭のような催し物に関わることはまったく不本意であった。
酒癖の悪いアジェンタス騎士団の飲みがひどいと、近隣飲食店からは毎日のように苦情が届いていた。騎士団の必要性を説き、地域住民の不信感を払拭するため、地域交流会なるものが開催されることになり、セテとレトはなんと屋台で接客する羽目に……。
お手製屋台の最後の仕上げ作業に取りかかるジャドウィック率いる屋台組。彼の手配による本格的なチラシや、仲間たちの作る看板などで俄然、盛り上がってくる。セテもどういうわけか張り切っており、掛け持ちでさまざまな行事に参加しているようだった。